電子回路の設計はデジタル回路設計とアナログ回路設計に大別されます。
デジタル回路の設計は比較的取っ付きやすいせいか意外と設計屋さんは多いのですが、アナログ回路の設計屋さんは本当にすくないのが現状です。
最近では電子回路シミュレーターが安価に手に入るようになり回路設計者はコンピュータに向かいマウスを操作するだけで電子回路の設計が出来てしまう時代です。
電子技術の専門学校でも電子回路回路シミュレーターを使い授業をしているそうです。その分、実際に回路を作るなどの実習時間は減っているようです。
でも、本当にこれでいいのでしょうか?
回路シミュレーターでは部品や回路配線が理想的な状態で行われます。しかし、実際の回路ではそうはいきません。部品の配置がかわるだけで回路の特性が変わってしまうこともあるのです。
私はハードウエアの技術収得には実験の繰り返しだと思っています。回路シミュレーターで疑似体験をするだけではなく、実際に回路を製作し実験してみることが大事なのではないでしょうか。
電子回路設計者への道
電子回路の設計を習得するにはなにから始めたらいいのでしょうか?
理論をしっかり身に着けてから始めるひと、なんにもわからないけどとにかく実験してみるなど、人によって様々だと思います。私は実験しながら理論的な裏づけをしていくという方法で習得してきました。
前述したように私は理論よりも実際に製作し、実験すると言うことを重要視しています。ですからこのサイトでも出来るだけ公式は使わずに回路や、部品の説明をするようにしています。とはいえ基本的な箇所ではどうしても公式が必要です。 それらについては可能な限り掲載するようにしました。
又、電子回路、電気回路の設計には部品の基本的特質、特徴を充分に理解しておく必要があります。それらに関しても可能な限り詳細に掲載しております。
では具体的にどんなふうに実験をすすめるか説明していきましょう。
図1は説明のためわざと間違った回路にしてあります。LEDについて全く知識がないひとはこのように配線したとしてもおかしくありません。
やみくもに回路を組んではいけません。使用する部品の性質や特徴をよく理解しておく ことが必要です。そのためにはデーターシートの見方も理解しておくことが大事です。
LEDの性質も理解し、無事、点灯させることが出来ました。

さてここから大事なことです。
回路が希望通り動いても理屈にかなっているか必ず確認します。この回路の例で言えば、LEDに計算通りの電流が流れているかなど実際に測定してみます。
この「理屈に合った動作をしているか確認する」これが理論的裏づけを取るということなのです。
どんな回路から始めたらいいのだろう?
とっつきやすいロジック回路から始めるのが電子回路設計をマスターする早道です。
ロジック回路をマスターすればマイコンを利用した回路も容易に組めます。最近の家電製品や電子装置は必ずと言っていいほどマイコンが使われているのが現状です。マイコンを使い自分専用の装置も簡単に製作できるようになります。