
PINダイオードの記号
PINダイオードは3層構造のダイオードです。PN接合の間に真性半導体であるI層(Intrinsic Layer)を挟み込みP I Nと3種類の半導体を接合したダイオードです。
PINダイオードは順方向電流を0~数十mA変化させると順方向の高周波直列抵抗が変化しあたかも可変抵抗器のように動作します。
PINダイオードのPN接合の端子間の容量がたいへん小さく(1pf前後)、直列抵抗も低いのが特徴です。PINダイオードの用途は主にUHF、VHF等の高周波回路のゲインコントロール等に応用されます。
PINダイオードの動作原理
左図はPINダイオードの動作原理を表す摸式図です。PINダイオードに順方向の電圧を印加するとP層とN層に挟まれたI層にP層からは正孔が、N層からは電子が注入されます。この正孔と電子は再結合し、PINダイオードの順方向電流となるものと、I層内に蓄積するものとがあります。
I層はもともとは真性半導体で高抵抗だったものが、この蓄積された正孔と電子によって導電率が上がります。
つまり蓄積されるキャリアの量を制御することで可変抵抗器にように機能させることが出来るのです。
PINダイオードの基本特性
rs
rsはPINダイオードに順方向電流を充分流したときの直列抵抗の最低値です。つまりPINダイオードの順方向電流をふやしてもこの値より直列抵抗が下がることはありません。
rs-IF特性
この特性はPINダイオードの重要な特性で順方向電流に対する直列抵抗の変化を示したもので、PINダイオードの可変抵抗の性能を示すものです。
VF
PINダイオードはいままで述べた通りPN接合ダイオードとは構造が違いますが順方向電圧はPN接合ダイオードとほぼ同じ0.7~1V程度です。
PINダイオードの応用例