オペアンプ回路を実際に設計する際に以外と面倒なのがオペアンプICの選択です。
同じ目的のオペアンプでも微妙に特性の違うオペアンプが多種類存在します。そのなかから自分の設計した回路にピッタリ
合うオペアンプを探すのは結構面倒なものです。
オペアンプICの選択とはオペアンプICの特性を比較して決めることに他なりません。
比較する特性はオペアンプの回路の目的によって違います。
増幅回路と積分回路では比較する特性が違います。オペアンプ回路の目的と無関係に比較しても意味がありません。
オペアンプ 比較の準備と手順
オペアンプの特性を比較するには候補になるオペアンプICを幾つか選択することから始まります。次の方法は筆者が回路を設計する前に
実行している方法です。設計前に特性を比較してICを選択する理由は、ICの入手性を考慮するからです。設計後に「入手不可」や、「コストが合わない」などで
再設計になるのを防ぐためです。
- 1)複数の通販サイトで販売しているものを複数選ぶ
- 複数の通販サイトで販売されているということは流通量が
多く、入手が容易であることを意味します。
- 2)特性の絞り込み機能がある通販サイト、例えばRSコンポーネンツなどを利用して
-
オペアンプの特性を絞り込み⽐較することが可能です。
自分で表を作って比較してもいいのですが、通販サイトの絞り込み機能を使ったほうが楽です。
オペアンプ 回路別 比較のポイント
直流増幅回路の比較ポイント
- 精密な直流増幅回路の比較ポイント
- * 入力オフセット電圧の低いもの
- * 入力抵抗の大きいもの
- * 入力バイアス電流の低いもの
- 汎用直流増幅回路の比較ポイント
- 一般的な増幅回路では特に比較して選択するほどのことはないと思います。
但しオペアンプの出力で大型のトランジスタを駆動する場合などは気を付けてください。オペアンプの出力電流不足から
駆動電圧が低下する場合があります。最近のオペアンプは出力電流が低いものが多いです。
交流増幅回路の比較ポイント
交流増幅回路のオペアンプで重要な比較ポイントはゲイン・バンド幅積(Gain Bandwidth Product)です。
この周波数が高いほど広帯域の交流アンプが作成できます。ゲイン・バンド幅積と関係がある特性でオープンループゲイン
というのがありますが、一般にオープンループゲインは十分に大きいのが普通です。
オペアンプのゲインに関してはこちらのページで解説しています→オペアンプのゲイン
*-------参考 オープンループゲインの意味------
トランジスタ技術,
Wikipedia