オペアンプ回路の基本中の基本回路は増幅回路です。増幅回路には2種類あります。入力と出力の位相が反転する
反転増幅回路と入力と出力の位相が同じ非反転増幅回路です。それぞれ特徴があります。
どちらもオペアンプ回路を学ぶとき最初に取り組むべき重要な応用回路です。
オペアンプの増幅回路を理解できればオペアンプ回路の1/3ぐらいは理解できたと言えるでしょう。
オペアンプの増幅回路はオペアンプの特性である
- 入力インピーダンスが高い
- 開ループゲインが非常に高い
- 差動入力の増幅器
を利用して構成されます。
参照--->オペアンプ
冒頭で述べた2つの増幅回路、反転増幅回路、非反転増幅回路のいずれも負帰還を施して構成されます。負帰還とは
簡単にいえば出力の一部を入力信号を減衰させるように入力に戻すことを言います。オペアンプの場合は入力が反転入力端子と
非反転入力端子がありますから、反転入力端子に戻すことで負帰還を構成しています。
反転増幅回路
反転増幅回路
***利得(ゲイン)***
***理想オペアンプの利得***
---式2
非反転増幅回路
非反転増幅回路
***利得(ゲイン)***
---式3
式中 A 及び βは反転増幅回路とおなじ定数です。
***理想オペアンプの利得***
---式4
一般にオペアンプの増幅回路でゲインの計算をするときは理想オペアンプの利得の計算式(式2、式4)が使われます。その理由は
理想オペアンプの閉ループ利得と実用オペアンプの閉ループ利得の誤差は微々たるもので実用上差し支えないからです。(実際に計算してみるとよくわかると思います。)それなら
簡単な式のほうがいいですから。但し高周波の増幅では注意しなければなりません。オペアンプの開ループゲインは周波数特性を持っており周波数が高くなるほど開ループゲインは下がります。
参照--->オペアンプのゲイン
増幅回路の実用オペアンプの理想オペアンプに対する誤差率 Δ は
で表されます。
ミニ用語集
- 理想オペアンプ
- 理想オペアンプは実際には存在しない理論上のオペアンプです。実用オペアンプ回路の解析のために考えられました。
理想オペアンプが備えてる条件は
- 入力インピーダンスが無限大
- 出力インピーダンスがゼロ
- 開ループ利得が無限大
- 応答の遅れがゼロ
- 内部雑音がなく、無信号時の出力がゼロ