抵抗の種類と特徴


抵抗器(以下抵抗と呼びます)は電子回路のなかで最も多く使われる部品のひとつです。抵抗の選び方によって回路の性能が変わる場合もあります。

初心者が回路図どおり製作しても希望どおり動作しない原因は部品の基礎知識の不十分さに起因することもあるのです。抵抗とは言えどおろそかには出来ません。 特にアナログ回路では抵抗の選び方は重要なファクタのひとつです。

抵抗[抵抗器]の種類の代表的なものを下記に掲げます。抵抗[抵抗器]の種類はこの他にもたくさんの種類がありますが、ほとんどがこれらの変形です。

抵抗[抵抗器]の特徴も抵抗体として使われる材料によって特徴が違うだけで、それほど大きな特徴のちがいはありません。

主な抵抗[抵抗器]の種類と特徴

種類特徴
炭素皮膜抵抗器(カーボン抵抗)抵抗体は炭素皮膜。安価。温度特性は負特性。
金属皮膜抵抗器抵抗体はNi-Crの金属皮膜。抵抗値許容差の範囲が広い。温度係数が小さい。
セメント抵抗器金属巻線抵抗、酸化金属皮膜などをセメントで封入し耐熱性、耐電圧性を向上させた抵抗器。
ほうろう抵抗器巻線抵抗器の外装にほうろうを焼きつけ耐熱性を高めた大電力用抵抗器
巻き線抵抗器文字どおりセラミックやガラスなどの芯に線を巻きつけた抵抗体。抵抗値は低い。大電力用。高周波では周波数特性をもつ。

その他の抵抗[抵抗器]の種類と特徴

種類特徴
抵抗ネットワーク抵抗器が一つのパッケージに複数個はいった部品。内部接続は並列、直列、分圧、独立なださまざまなものがあります。
金属箔抵抗器抵抗体に金属箔を用いた超精密用抵抗器。レーザトリミングなどにより正確な抵抗値を得るように加工されています。
ミリオーム抵抗器mΩオーダの低抵抗値の抵抗器。主に電源回路の電流検出に使われます。外観は抵抗器というよりも線材そのものと言う感じです。
ハイ・メグオーム抵抗器抵抗体にメタルグレーズの皮膜を用い、高抵抗値でも、絶縁抵抗特性、耐電圧特性、耐候性特性を向上させて抵抗器
リニア温度係数抵抗器熱応答速度の速い温度検知金属皮膜などを使った抵抗器。広い温度範囲で温度係数が直線的に変化します。抵抗器と言うより温度センサーとして利用されます。

各種抵抗の抵抗値精度

炭素皮膜抵抗器

カーボン抵抗器の写真

円筒状のセラミックに炭素皮膜による抵抗体を形成し抵抗値を微調整する為に螺旋条に溝を切ったもの。 抵抗値の精度は一般的に ±5%(J)、10%(K)が多く使われます温度特性は負特性(温度の上昇で抵抗値が下がる)です。

金属皮膜抵抗器

金属皮膜抵抗器の写真

構造は炭素皮膜抵抗器と同じですが、抵抗体にNi-Crなどの合金が使われます。 抵抗値の精度は選択肢が広く±5%(J)、±2%(G)、±1%(F)、±0.5%(D)、±0.25%(C)、±0.1%(B)、±0.05%(A)などから選べます。 一般の金属の温度特性は正特性ですが金属皮膜抵抗器は合金の比率を変えることで温度係数を小さく出来、それによって正特性、負特性のどちらかになります。

セメント抵抗器

金属皮膜抵抗器の写真

抵抗体をセラミックのケースにいれてセメントで固めたものを言います。 抵抗体に巻き線、金属板、金属酸化皮膜などがあります。不燃性の構造で耐熱性に優れ、高耐電圧などの特徴があります。

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